<< 学校の価値観と職場の価値観 | main | 被災地の方々の仕事 >>

『復興の書店』感想

『復興の書店』(小学館文庫 稲泉連・著)を読んだ。ある方のFBの投稿に案内され、読むことにした。
 感想を書くことにしたのは、僕という個人に、とても重い問題意識を突き付けたからだ。どういうことかと言うと、被災者の方々に、被災地の「書店」で手に取った「本」が、非常に切実な気持ちで読まれていたのである。被災者になくてはならないのが「本」であり、被災地になくてはならないのが「書店」であったのだ。そのあり様がこの『復興の書店』には、余すところなく描かれている。
 読書が好きだと称する僕には、その被災者の方々の切実さがまるでない、と思えた。被災地の「書店」が、地震と津波による「本」の散逸に見舞われた。そして被災後の「復興の書店」に丁寧に並べられた同じ「本」が、安全地帯にいる僕の、隣の部屋や納戸に雑に積み上げられている。そこにある本は、僕が足を投げ出して雑にかも知れず、読んだものである。読んでいない本だってある。そのことに僕は、痛切な問題意識を持ったのである。
 また、僕は(商品の)流通問題を一方の専門としている。その僕には、製造業としての「出版社」、卸売業としての「取次」、小売業としての「書店」、そして最終消費者としての「読者」について、考え方の変革を迫っているように思えた。その結実は簡単ではなく、僕が(商品の)流通の専門家として、考え続けなくてはいけないものだ。としても、この被災者と被災地の実情を描いた『復興の書店』を、もう一つの起点として考え続けていきたいと思った。

at 20:19, 砂田好正, 被災地復興

comments(0), trackbacks(0), - -

comment









trackback
url:http://blog1.wiselink.biz/trackback/74