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社会人としての法令順守

 企業というのは、社会の倫理に恥じないまっとうな経営を行われなければならない。そういった経営が行われれば、社員たちもまた健全に行動するものである。健康な企業からは、モラル・ハラスメントは生まれないのだ。企業が人を大切にすれば、そこで働く社員たちはそれに応える。あたりまえのことだ。(中略)いや、もちろん、なかには真剣に企業倫理について考えて、企業活動のなかで実践していこうとする素晴らしい経営者たちもいる。だが、それ以外の経営者たちは、自分の良心をごまかすためか、そうでなければ、ただ格好をつけるために、「倫理」という言葉を口にしているのにすぎないのだ。P452「第14章予防する」「利益と倫理」)
 
いや、「利益を追求する」という目標それ自体がモラル・ハラスメントに結びつくわけではない。企業であるからには、「利益の追求」という目標を掲げるのは当然である。問題は、どんな手段でその目標を達成するか、ということなのだ。その手段があまりにも性急で、社員の人間性を考慮に入れないものであれば、モラル・ハラスメントに結びつく――そういうことなのである。(中略)
 したがって、問題なのは、利益をあげるためなら、たとえば法に触れるようなことまでして、それを隠すような企業である。こういった企業は、目先の利益を追求することだけに夢中になるので、社員のことも道具のようにしか考えていない。そこで、モラル・ハラスメントが起こるのである。ところが、「最近の社員は能力が落ちた」とか、「忠誠心がなくなった」とか、嘆きの言葉を口にする。だが、そういった企業でトップになるのは、利益をあげるためならなんでもしてきた、よほど恥知らずな人間だけである。これでは職を失うのを恐れて、その会社に残っている社員たちがかわいそうだ。P275「第11章モラル・ハラスメントが行われやすい環境」「恥知らずなシステム」)
 
私たちは多くのケースで様々な企業と、顧客として接している。そして私に限らないと思うのだが、その企業の社内の人間関係が良好だと、気持ちよく担当者に接することができる。逆にぎすぎすとした悪い雰囲気の社内だと、不快になり、商談も躊躇しがちである。長年、顧客として付き合うことのできる会社とは、社内の人間関係とか、雰囲気が良い企業である。
 それでは、良い人間関係で、良い雰囲気の会社とは、どのような会社であろうか。それは、経営者、管理者、社員のそれぞれが、社会人として法令順守している、法律を守っていると思われる会社である。たとえば、日本には労働基準法という労働者のための法律があるが、それがきちんと守られているような会社は、結果として良い人間関係が生まれ、雰囲気の良い会社となる。私たちは、そういう会社とは顧客として接しやすく、商談を進めたくなる。また、取引業者に対して様々な法律をきちんと守っている会社は、これも結果として人間関係が良好で、雰囲気の良い会社になる。会社とは、取引業者と共存共栄するというのが前提であり、過度な価格交渉などは、法律・倫理を守るという精神からはかい離しているのだ。そこに適切な企業倫理、企業ルールの実践はない。
 こうして考えてくると、経営者、管理者、社員それぞれが社会人として法律を守り、社会的役割をきちんと果たしている会社が、人間関係も良好になり、雰囲気の良い会社であると言えるだろう。そういう会社では、パワハラ行為も起きにくい。その結果、会社としての生産性も高まるのだと思う。
 

at 10:25, 砂田好正, 人間中心の職場作り

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