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競争ではなく共生

 それでなくとも、企業のなかでは、「誰かと競争して権力争いをする」というのが会社員としての普通の状態になっている。そこでは人は相手の言うことに興味を持って耳を傾けるのではなく、どうやったら相手を蹴落とすことができるか、そればかり考えている。その結果、社内には警戒心ばかりが強まり、それと同時にあらゆる創造性の芽がつまれてしまう。何か新しいことをしようとすると、その計画はつぶされ、上司や同僚の皮肉や嘲笑を浴びることになるのである。これは要するに、企業そのものの体質がモラル・ハラスメント的になっているということである。P94「第2章モラル・ハラスメントであるもの」「権力を得るために人を物扱いするということ」)
 
いまから10年以上前になるだろうか。大企業はもとより、中小企業においても給与の「成果報酬制度」が急速に導入された。それから長年が経過するわけだが、この制度は失敗だったと言われている。いまだに社員の評価制度がある企業は多いのだが、それによる過度な制度としての「成果報酬制度」は、社員のモチベーションを下げてしまうという指摘は多い。
 その原因はどこにあるのだろうか。私は、成果報酬制度は社員間の競争意識を高める目的をもったものであり、そこに失敗の原因があると思うのだ。現在、社員の働きぶりを評価して、それを給与制度にある程度反映させることは、制度として残っている。その一方で、過度な成果報酬制度は後退している。その原因は、成果報酬制度の目的が、社員間の競争意識を過度に促進することであり、気持ちよく働くことのできない職場になってしまうからではないだろうか。
 私は、過度な競争意識の促進は、職場の雰囲気を悪くすると思う。お互いの疑心暗鬼を生み、人間性を阻害することにつながると思う。社員間の人間関係は、競争理念ではなく共生理念が必要である。そこに「人間中心の職場作り」の要点がある、と思うのだ。
 社員の働きぶりを評価し、その成績をある程度給与に反映させることは必要かもしれない。それが社員のモチベーションを高めるために必要だと考える経営者も多いだろう。ただ、その場合も、その評価が公平なものでなくてはならない。その制度設計は非常に難しく、完全に公平な制度はなかなか作りづらい。それも私が成果報酬制度導入に消極的になる、もう一つの理由である。
 過度な競争意識を抑制することは、パワハラ行為を減らし、「人間中心の職場作り」に不可欠である。職場で働く社員が、お互いに共生意識を持つことができるような制度を、経営者や管理者は考えてもらいたいものだ。
 
 

at 14:47, 砂田好正, 人間中心の職場作り

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