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デリバティブ取引に思う

 

 被害が多数出ているデリバティブ取引とはどのようなものだろうか。それを活用した「仕組み債」を説明することにする。5年ほど前、私がある都市銀行で実際に勧誘を受けた「仕組み債」とは次のようなものである。実際の円・ドルの為替や利率は忘れたのであるが、実例に即して解説することにしよう。

 行員は言う。「いまは、1ドル100円前後の為替レートとなっています。そのレートが円高になって80円を割らなければ、1年の金利として4%もらえます。つまり100万円で、この金融商品を購買してくれれば、4万円の金利が付きます。ただし、もし為替レートが一度でも80円未満になると、つまりそこまで円高が進むと、その場合は金利が付かないばかりか、満期にはそのときの為替レートにおけるドルで返金されます。そのときはレートが80円未満になっているはずですから、80万円未満の返金となります。すなわちその時点では20万円以上の損となり、これがこの「仕組み債」のリスクとなります。でも、今時点では為替レートが100円前後ですから、80円未満になることは考えづらいですよね。この金融商品はそんなお得な商品となっています」と勧誘したのであった。

 私はこの「仕組み債」という金融商品の説明を聞いて、これはデリバティブ取引が絡んでいるなと思い、当然のように断った。

もしこれを100万円、購買していたらどうなったであろうか。その後、円ドルの為替相場は円高が進行し、80円未満になったのである。私の手許に戻ったのは多く見て80万円であり、少なくても20万円の損失を被ったのである。もちろん、定期預金の金利が0.1%ほどのときに、4%の金利とは夢のような金利である。つい、手を出してしまいたくなる金利水準なのである。しかし、4%の金利が付かないばかりか、大きな損失を抱えてしまったことになる。そして、この一見有利に見える「仕組み債」の恐さを改めて思い知ったのである。

 ディバティブ取引はここで説明したものだけでなく、その取引を活用して、どんな「仕組み」も可能である。よりリスクの高い商品作りも可能である。そして、その「仕組み」に騙されて損をした中小企業オーナーが多くあるというのが、実情なのである。

at 11:07, 砂田好正, デリバティブ取引

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