<< 被害を受けやすい性格 | main | 主観の問題 >>

被害を受けやすい仕事への姿勢

  自己評価の低い人は、とりわけ他人の評価に敏感である。したがって、加害者から見て、相手の自己評価が低いとわかっている場合、相手が清廉潔白な人であったり、真面目に働いている人であれば、相手の仕事ぶりを疑うようなことを言えば、それだけで相手を傷つけ、大きなショックを与えることができる。P312〜313「第12章モラル・ハラスメントに関わる人々」「自己評価が低い場合」)

 

 仕事というのはアイデンティティと密接に結びついていることが多い。仕事に関係することで褒められ、評価され、好感を持たれれば、自己イメージはよくなる。反対に、批判され、貶(おとし)められれば、自分とは何か疑うようになる。

(中略)実際、最初に言ったように仕事とアイデンティティが密接に結びついている場合――というより、過度に結びついている場合は、仕事の批判を仕事だけの問題として考えることができない。(中略)仕事とアイデンティティが切り離せなくなっているので、仕事の批判をされただけで、全人格的に傷ついてしまうのである。P313〜314「第12章モラル・ハラスメントに関わる人々」「アイデンティティが仕事と過度に結びついている場合」)

 

 モラル・ハラスメントはほんの小さなことから始まるが、職場の人々の間の価値観のちがいがそのきっかけとなることも多い。たとえば、倫理的に潔癖で、職場で行われる「公私混同」を許せない人がいた場合、そういった人はモラル・ハラスメントの標的にされやすくなる。P320「第12章モラル・ハラスメントに関わる人々」「生真面目で正直すぎる場合」)

 

 自分の仕事を大切にし、神聖化している人の場合も、モラル・ハラスメントを受けやすい。こういった人々は、仕事には特別な価値があると思っているので、つい融通がきかなくなるからである。P321「第12章モラル・ハラスメントに関わる人々」「仕事を大切にし、神聖化している場合」)

 

 私たちは、仕事を特別な行為として捉えがちである。というのも、仕事によって金銭を稼ぎ、生活を成立しているわけだから、当然の認識かもしれない。ところがこうした特別な行為として認識することが、パワハラ被害を受けやすくしている、と指摘されている。また、詳しく後述するが、仕事についての自己評価が低い、ある意味では謙虚な性格というのも、パワハラ被害を大きくする傾向があるようだ。これも一般的には悪いことではなく、評価されるべきことかもしれない。しかし、被害を受けやすい仕事への姿勢として考えておく必要がある。

 

at 10:48, 砂田好正, パワハラが横行する職場

comments(0), trackbacks(0), - -

comment









trackback
url:http://blog1.wiselink.biz/trackback/43